コラムは今回連載15回目をもって終わりとしたい。最後は『若手歯科医師を育てるツボ』の残りについて述べてみる。『歯科界の人気低下は底値?』現在の日本の歯科界は閉塞気味であるが、お隣の韓国・台湾では医科よりも歯科大学のほうが難関という。辛い時代でも、医療者としてのプライドは失わず、診療に勉強に励もう、夢をもてば必ず報われるはずだ。『無事是名馬ならぬ無事是名医』無事是名馬とは、競走馬として怪我もなく長い間第一線で活躍できることを指す。かかりつけ歯科医として長年患者さんに関わり、一生健康を守り続けるなら、無事是名医でいたい。『5年分1年分でしろ!』5年分の勉強量を1年でするくらいの気概がないと、なかなか自身の治療の質もあがらないし、治療オプションも増えない。若手歯科医師にはやはり情熱が欲しい。『嫌いな人ともけんかしない』歯科医療は自分だけでできない。スタディーグループや歯科医師会の先生方、スタッフ、歯科の業者さんなど、いろんな人の助けがどこかで必ず必要になる。敵視をしたり、文句を言った次の日に、その人の助けを借りなければならなくなった経験があるでしょう!『歯科医師もメンタルのトレーニングを!』自分の力を発揮するためには、技術だけでなく心の持ち方も重要。歯科医師はここぞという時の集中力、モチベーションの維持、ミスの克服、またリーダーとしての資質など、あらゆる状況で強いメンタリティーが求められる。そのためには、腰を据えて状況に左右されない力、不利な状況でもプラスに受け止めるバランス感覚が求められる。本質とは何か、いま成すべきことは何かを常に自分自身に問いかけるべきである。『人望はついてくるもの』組織において「自分の能力」を最大限に発揮するには、自分の周囲に集まる多くの人のなかから、いかに「自分以外の物の能力」を引き出せるかが大切である。そのために求められるのは「人望」である。これはつくるものでなく、周りからつくられるものである。『すべてはバランス』歯科医師は多忙を極める。そのため、家庭、患者さん、スタッフ、後輩の若手歯科医師との人間関係の充実が不可欠である。人間関係がうまくいってれば、すべてよい方向に…。バランス感覚を持って向き合おう。
15ヶ月の長きに渡って、コラムを読んでくださった方々に心より感謝致します。
北九州市開業
上田 秀朗 先生