連載12回目は『患者さんへの対応のツボ』の残りと『スタッフを育てるツボ』について述べてみる。『患者さん自身の精神状態を把握し、個別対応を!』患者さんは歯科以外にも多くの悩みを抱えている。家庭の問題、子供の受験やいじめ、病気、更年期、仕事上の問題、リストラ、会社の倒産、発注ミス、人事トラブル、いろいろな悩みを抱えている時は、患者さんも治療どころではない。患者さんの立場で考えるべき。『ファーストコンタクトがすべて』患者さんとのファーストコンタクトは受付の電話対応である。そこで患者さんはその医院へのイメージを持つ。名実ともに受付こそまさにその医院の玄関なのだ。『一般人も歯が命』患者さんが望むことの第一位は、歯の延命であることが多い。根尖病変があるからといって、抜歯即時インプラントはいかがなものか!インプラントは、歯科界の救世主にも悪魔にもなる。『腕は同じだが、収益に大きな差の理由』治療技術が同レベルの歯科医師でも、収益が異なる事は大いにあり得る。その場合、患者さんへのカウンセリング能力に差があることが多い。患者さんの悩みや生活背景などを観察把握することで、カウンセリングの方法を変化させるなどの臨機応変さが必要。もちろん最も大切なのは、医療人として患者さんを思いやる心を持つことだ。『病院内での専門業務制』人には誰でも得手不得手がある。それは歯科衛生士の治療介助にも言える。インプラントのオペアシスタントが得意、コンサルテーションが得意など適用を見極めた業務分担を。『メリハリをつける』院内に入ったらお昼の休憩以外は全て仕事と思うべき。話し声、笑い声が、ときには患者さんに不快感、不安を与えることも。『院長は偏らずに仕事を振るべき』能力のあるスタッフにはいろんな仕事が集まる。そしてそこで成果を上げるほど院長からも先輩、後輩からも信頼され、医院の中心的な存在になってくる。ただ院長は一極集中せずいろいろなスタッフに仕事を渡して、皆が独り立ちできるよう心がけることが大事。
次回は『スタッフを育てるツボ』の残りと『若手歯科医師を育てるツボ』について述べてみる。
北九州市開業
上田 秀朗 先生