連載9回目は『医院経営のツボ』の後編について述べてみたい。『あたりまえだが、借金はないほうがよい』資金繰りや税務上の理由などで、とかく経営者は借金を負いがちだが、健全な経営に越したことはない。このご時世、景気はどう転ぶかわからず、今後の医療制度改革の可能性を踏まえても借金はリスクをともなう。資金繰りを計算しながらの診療は、本質を外れてしまう可能性がある。新たな借入をすることなく、収入収益の範囲内で医院投資をしていくスタンスでありたい。『修正は必ず必要(経営編)』大手企業でも営業利益の下方修正は当たり前。世界に誇る日本の自動車企業が日米欧でリコール騒動に揺れたこともある。医療であるのだから目先の患者さんの増減・自費の増減だけにとらわれることなく、きちんと診療すれば必ず上方に転ずる。ただ、急激な減少には敏感に。『お昼休みにリフレッシュ』お昼もとらないでうちの医院は頑張っているという話も聞くが、歯科医療への集中力は8時間も続かない。歳を取れば尚更である。患者さんのためを思えば、お昼休みは極力リフレッシュに努めたい。『俺、これでいいんかの〜』歯科医療従事者としての自戒を込めた問いかけが大事。健全な医院経営は自分自身・家族・スタッフを支えているだけではなく、患者さんにとっても福音になる。常に自問自答を!俺、これでいいんかの〜『期限を決めて実行する』ものごとを成し遂げるには、期限を設定することが必要である。締め切りがないと、ついつい甘えてしまうものである。「いつまでに、なにをする!」明確な目標を決め、前進することが必要。『上質な医療の提供は経営の安定なしには始まらない』日々の仕事に追われると、ついついどんぶり勘定的な経営になってしまいがち。経営者として医院の舵取りをするには、医院の状態を数字として把握し、売り上げのみでなく固定費・変動費・損益分岐点などの重要な数字をつかみ、そこから利益を生み出す努力が必要である。上質な医療の提供は経営の安定なしには始まらない。『自費治療は水物‥‥‥。年間トータルで考える』自費治療は保険治療と違って、いつ契約が成立するかの保証がない。1日、1ヶ月ではなく、半年、年間など、先を越して考えた方がよい。1ヶ月にいくら‥‥‥という考え方では、術者にも患者さんにも負担がかかるし、ただ白い歯を入れるのが目的になるのがもっとも怖い。次回は『医院経営のツボ』の残りと『患者さんへの対応のツボ』について述べてみたい。


北九州市開業
上田 秀朗 先生