連載7回目の今回は、若手の先生方が悩み、直面する『開業のツボ』前編について述べてみたい。『運がいい!?』開業はもちろん運ではないが、粘って物件の交渉を行ったり、理想を追求すれば必ず運が開けるものだ。運を呼び込むのもその人の努力次第。そしてまた、タイミングが大事である。ここはと言うチャンスを逃すべからず!『開業地の地域性を考えよう』東京と地方では、同じ診療スタイルでは通用しない。オフィス街、新興住宅地、昔からの住宅街、過疎の町などでも同様である。自身の臨床スタイルにあった開業地を選ぼう。『信念を持って』人生と同じく、開業してからは荒波が待っている。信念を持って自分自身とスタッフを信じて、その荒波を乗り越えよう。『流れを理解した受付をー診療室内との掛け持ちにしない』ホテルのチェックインする際、掃除係や給仕係が呼びかけに応じて受付に入って来たら‥‥‥。人件費を考慮すると、受付専門のスタッフを雇うことに躊躇するかもしれない。しかし長い目でみると、受付にこそ増患増収のツボが隠れている。いつも同じ顔が窓口で出迎えてくれる安心感は重要であり、個々の患者さんを把握し応対することも可能になる。一流ホテルに学ぶべき。『開業にかかわる業者さんには必要最小限だけ口をだす!』患者さんが治療内容全てに口をはさみ、すべて要望通りに治療を行うとしたら、気持ちよく全力を傾けて治療し、最高の治療結果を導き出すことができるだろうか?建設施工に携わる業者さんも同じ。イメージや要望をはじめに端的に話し理解してもらえれば、あとは要所でチェックを行い、その人の専門性とセンスに任せた方がうまくいく。それには日頃からアンテナを張り巡らせ、信頼できる業者さんを見つけておくことが重要! 『時代の流れには逆らえない』以前は卒業後、数年勤務し30歳前に開業というスタイルが主流であったが、現在ではなかなかそうもいかない。無理に開業をあせるのではなく、勤務医時代に腕をどんどん磨くという発想も必要。時代に流される必要はないが、逆らっても仕方がない。『必要な機材は惜しまずに買おう』玉井歯科商店が非常に喜びそうなツボである。開業時には色々な設備投資が必要である。自分の診療スタイルのなかで必要と思う機材は惜しまず購入しよう。いざ開業して「あれがない、これがない」ではストレスが溜まるだけ。もちろん、自分の身の丈は理解したうえで‥‥‥次回は『開業のツボ』の後編と『医院経営のツボ』について、掘り下げてみたい。


北九州市開業
上田 秀朗 先生