連載6回目も若い先生に伝えたい『勉強のツボ』の続きを紹介させていただく。『オファーは極力受けるべき』スタディーグループに所属していると、いろいろな人との出会いがあり、そのなかで講演や執筆のオファーを受けることも多くなる。このチャンスを逃す手はない。これは、自分自身の人間形成にも役立つし、さらには若手を育てるための窓口にもつながる。チャンスは待つのではなく、自分でつかみ取るものだ。『批判するなら、それをすべてできたうえですべし』学会に参加すると、やり方や考え方が違う演者に対する批判を耳にすることがある。スポーツでいえば、我々は観客ではなくプレイヤーなのだから。『ブレない強い気持ちが大事』若手歯科医師は歯科医師免許取得〜研修医〜勤務〜開業とさまざまな環境の変化が予想されるが、そのなかで自分自身の治療理念がブレないように保つことが大事。誰もが最初は高い志をもつが、よい治療をすることは決して簡単ではなく、楽な方に走りがちである。ブレないためには同じ志を持ったスタディーグループに入り、常に自分を見つめ直すことも必要。『年代ごとの目標をしっかりもつ』自分の目指す歯科医師像をしっかり見据えて、それに向かって何をすべきかを考えて行動すべき。ただ、ダラダラ時間をかけるのではなく、年代ごとの明確な目標を立てることが大事。『他分野の勉強をしよう』仕事上歯科関係者との付き合いが多くなってしまうのは仕方がない。しかし、診ている患者さんは専門家ではない。歯科関係の勉強も必要であるが、歯科以外の分野の人との交流や、読書、音楽鑑賞などをすることも、患者さんの心理をつかむには重要である。『1番の勉強は患者さんから』さまざまなセミナーや勉強会がある。もちろん、なんにでも参加することも大切なことである。しかし、1番の勉強は日々の患者さんから得られるものであることは間違いない。口腔内の写真や模型などの記録を残し振り返ることは何より重要だ。さまざまなテクニックや氾濫する情報に惑わされずに、毎日の臨床に臨もう。『名将に聞くべし!学ぶべし!』岐路に立ったとき、先人に学ぶことは多々ある。皆、同じ道を通ってきたのだ。歯科医師としてだけでなく、人生の先輩として長年のキャリアに裏付けされた言葉には重みがある。とくにその道で秀でた名将は、成功するための大切な要素である「人心掌握、情報収集、基礎と臨床の融合、経営」などに必ず長けている。得られることは計り知れない。すがってでも聞くべし!学ぶべし!次回は『開業のツボ』についてお話ししてみたい。


北九州市開業
上田 秀朗 先生