
求人募集を出しても採用水準に至る人材の確保が不安定であり、また給与単価の高騰により人件費の上昇が避けがたい状況においては、現在在籍するスタッフの業務を徹底して効率化を図り、いわば少数精鋭の形を作り上げることが喫緊の課題と言えるのではないでしょうか。
少数で現在の業務に対応すると考えると、一人にかかる負担が大きくなるような印象ですが、業務効率を徹底するということは、無駄な業務を省くことであり、複雑に思えていた業務を単純化することであり、最終的にはシンプルな形を目指すことでもあります。業務内容が明確になると、患者さんへの対応も適切な状態になり、患者さんを多く診ることにつながるため収入増加に結びつきます。単純にコストを削減するだけではなく、収入増加にも寄与することが業務改善を行うことによる効果です。
業務の見直しのために第一に行なうことは、現状の業務の洗い出しを行うことです。
スタッフ全員、医院一丸となって取り組むことができると効果的です。誰がどのような業務を担当し、どのように行っているかを把握するために、ミーティングの場を活用し、カードなどにそれぞれが書き出すことによって、誰が何をどう行っているかを理解できるようにします。
書き出した内容の中に、スタッフ同士で同じ業務を担い、しかもそれぞれのやり方で進めていたということがわかれば、ミーティングを行った効果がありということです。いわば非効率な部分が把握できることになりますから、業務が重複しないように改めてスタッフ同士で分担をし直し、無駄なく業務を繋いでいく意識へと高めていきます。
また、業務遂行にあたっては、できる限り単純化し、誰が担当しても同じように行えるように統一化を図ります。単純化もしくは省力化するためには、適切に設備投資を検討することが大変重要です。器具の滅菌・洗浄などは、人の手を使わず、自動化できるものは積極的に設備機器に置き換えることを進めると同時に、症例の収集や整理についても自動で行えるシステムを活用することや、患者さんのアポイントや会計業務などもシステム化することにより手間を省くことができます。業務を可能な限り単純化し、手書き、手入力、手作業を省略するために機器を活用することがポイントです。
業務効率を図ることは、少人数でも業務を遂行できることを目指すものですが、内容が洗練されてくると余裕時間が生れることに繋がります。この時間こそ、次に目指す患者さんとのコミュニケーションの強化です。患者さんの容態について、より詳しく情報を得るために問診を強化する時間に充てたり、患者さんがより快適に、安心して過ごすことができる時間になるように目配り、心配りを行き届かせたりすることに使うことができます。スタッフが余裕を持った心持ちで患者さんに対応すれば、痛みや不安を抱きながら通院する患者さんにとってはこの上ない安心感を得られるのです。
こうした取り組みはスタッフだけで実現できる内容ではなく、院長がしっかりと方向性を示し、リードし、尚且つ、楽しく取り組めることを大切にしてください。
デンタル・マネジメント・コンサルティング
門田 亮 氏