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海外での講演活動 海外で講演を行うというのは、一見華やかに見えるが、実際にはなかなか骨の折れる仕事である。医院を数日間留守にする不安、長時間のフライトでの体力消耗、そして現地での時差や食事の違いとの闘い。それでも、毎回新しい出会いと発見があるからこそ、続けられているのだと思う。

1. 医院を留守にすること

出張中は、急患や医院の売上がどうしても気になる。 「今ごろスタッフたちは大丈夫だろうか」「今日の予約はうまく回っているかな」──飛行機の中でもつい考えてしまう。しかし、一年単位で見れば、実際の売上減少はほんのわずかである。大学の同級生には、3年間海外留学したという猛者もいる。それを思えば、数日の出張など大した ことではない──そう自分に言い聞かせている。コロナ前のある年は、1年間に11回も海外講演を行った。 それでも医院が無事に回っていたのは、留守をしっかり守ってくれた勤務医の先生方とスタッフのおかげである。「院長、また海外ですか!」と笑顔で送り出してくれる彼らには、感謝してもしきれない。

2. 時差と食べ物への対応

海外出張は、基本エコノミークラス。「ビジネスクラスでゆったり」なんて夢のまた夢である。だが私は幸いにも「どこでも眠れる鈍感さ」と「小さなことを気にしない丈夫さ」を持ち合わせている。時差ぼけ対策として、現地に着くとすぐに15キロほどジョギングして体内時計をリセッ トするのが習慣だ。食事は、むしろ楽しみの一つだ。ネパールでは、バッファローの肉や「モモ」という肉まんのような料理が絶品だった。中国では、地元の食堂や屋台を探して食べ歩くのが恒例。ただし、一度だけ本場四川の火鍋に挑戦したときは大失敗だった。辛さで胃腸が完全にノックアウトされ、翌朝はトイレから出られなかった。それ以来、「辛さ控えめでお願いします」と最初に念を押すようになった。お酒も同様に苦手だ。かつては海外で勧められるまま飲んで撃沈することも多かったが、師匠の阿部二郎先生から「無理して飲むな!」と一喝されて以来、素直に「私は飲めません」と言うようになった。そのおかげで、酒席の失敗はゼロ。翌朝の講演も、全開で行うことができている。

3. 海外での交流

出張中は、ホテルに閉じこもらないことを心がけている。カナダやオーストラリアでは、JPDAの若手メンバーとAirbnbで部屋をシェア。夜な夜な義歯談義に花を咲かせた。イギリスでは、招待してくれた友人の家に滞在させてもらい、家族ぐるみの温かい時間を過ごした。こうした時間は、単なる講演活動にとどまらず、文化や考え方、そして人と人との距離を感じさせてくれる。私にとって海外講演とは、技術や知識を伝える場であると同時に、自分自身を広げる旅でもある。


富山県射水市開業
山崎 史晃 先生