ホーム » タマヰニュース » 経営情報 » 人口減少下に考えること

2025年国勢調査の速報値が5月29日に総務省より発表され、2025年10月1日現在の人口は1億2305万人となり、2020年調査時と比較して309万7千人減少(2.5%減)したとの報道がありました。減少幅は拡大しているということで、単純に同数が減少したとすると、いよいよ次回調査(2030年)時においては、人口が1億2000万人を下回ると予想できます。厚生労働省が発表する、人口動態調査の2025年調査結果の概要では、出生数は67万1236人、死亡数は158万9489人、出生数と死亡数の差である自然増減数は▲91万8253人となっていることから、5年間では約460万人弱が減少することになるとも予想できます。

人口が減少するということは歯科医師数も減少しているはずであり、同じく厚生労働省調査による、医師・歯科医師・薬剤師調査における歯科医師数の推移を見ると、歯科医師数のピークは2020年の107,443人となっています。その後減少に転じて最新調査の2024年時点では103,652人となり、人口減少を上回る3.5%超の減少率であることから、歯科医師一人あたりの人口はむしろ増加していると考えることができます。今後は、歯科医師の自然減に加え、高齢となる歯科医師の退任などが加速すると考えると、実際に診療を行う歯科医師一人あたりの人口は増えてくるのではないでしょうか。

人口の高齢化に伴い訪問歯科診療の需要の増加が見込まれることから、訪問歯科診療を手掛ける、あるいは専門に行なおうとする歯科医院が増加している現状ですが、改めて人口減少下における歯科医院の方向性を考えておく必要があると思います。医院収入の一部を狙い、空いた時間に訪問歯科診療を行なうには収支バランスが取りにくく、訪問歯科診療を事業として成り立たせるレベルまで行うには、訪問歯科診療に専従で取り組むスタッフを揃える体制づくりが必要です。

大規模歯科医院であれば、スタッフの中で役割を分担して対応できることが、小規模・中規模歯科医院においては対応が非常に難しい局面にありますから、歯科医療の需要内容が拡がり続ける中で周辺歯科医院との競争力を維持するために、自医院として何を主軸として打ち出すかが大変重要な場面であると思います。

診療報酬の改定内容をはじめとして、スタッフの育成・教育や賃金水準の向上など労務環境の改善に注目が集まっている状況ですが、来院する患者さんが、安心して治療が受けられる環境を維持することを忘れてはならないと思います。

新しい設備の導入や機器の選定のほか、医院内外の設備メンテナンスなども含めると、ヒトやモノへの投資案件は数え上げればきりがありません。日々得られる資金を、どこにどのように振り分ければ最善かを考えることは、歯科医院の規模の大小を問わず今後ますます重要なことになると思います。


デンタル・マネジメント・コンサルティング
門田 亮 氏