
日本の金利上昇傾向が続いています。2025年12月19日の金融政策決定会合で、日本銀行は政策金利を0.50%から0.75%に引き上げましたが、それに追随する市中銀行の短期プライムレート(短プラ)にも変化が生じています。日本銀行が発表する資料に基づくと、短プラにおいて都市銀行(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行)が自主的に決定した金利のうち、最も多くの数の銀行が採用した金利の最頻値は2026年2月9日に2.125%となっています。今後の金利情勢に関する金融機関や証券会社等の予測をみると、更なる金利上昇局面が続き、今後2年間で3回の利上げが行われるのではないかというエコノミストの予測もあります。
日銀の政策金利が上がり、それに伴って金融機関の融資金利が上がると、特に短プラに連動する住宅ローンの変動金利もその影響を無視できなくなっています。住宅ローンには、元金の返済を一定とする元金均等返済方式と、元金と利息の支払いを一定とする元利均等返済方式とがありますが、後者の元利均等返済方式には、「5年ルール」と「125%ルール」を設定する金融機関があります。5年ルールとは、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額を変えてはならない、というものであり、125%ルールは、5年間据え置いた返済額を6年目から上げる場合は、これまでの返済額に対して125%までしか上げてはならない、というルールです。
つまり、現在の返済額が月々10万円とすれば、当初5年間は10万円のまま推移し、6年目から上がる場合は12.5万円が返済額として最大の金額になるというものです。この2つのルールにより、家計の資金計画が立てやすく返済目処がわかりやすくなっています。 しかし、このルールにはリスクがあることを理解しておく必要があります。5年間は見た目上何も変わらないとしても、融資に対する金利を変動させることには何ら制限がないということです。極端な例ですが、金融機関が変動金利1%を明日から3%にするといってもよいのです。したがって、金利が上昇することの最大の影響は、毎月の返済額の中の、利息部分のみがどんどん膨らむ点に注意しておかなければなりません。
金融機関から送られてくる返済予定表をみると、金利上昇に伴って返済元金は減り、利息ばかりが増えていることにお気づきになると思います。2009年1月に1.475%だった短プラ金利は2024年8月まで約15年間維持されたことから、これまではあまり金利上昇の影響を実感したことがありませんでしたが、2024年9月から2026年2月までのほんの1年半で2.125%へと0.65%も上がってくると、本来は減っていくはずの利息がみるみる上がります。
こうした金利上昇による影響を回避するためには、より金利の低い商品への借換えを検討することのほか、住宅ローンの一部でも繰上返済を計画し、元金そのものを少なくすることもその一つです。元利均等返済方式は毎月の返済額が同一のため、通帳の引落額だけでは元金と利息の比率が変化していてもわかりにくいものです。後になっていつまでも元金が減っていないという事態を逃れるためにも、いつでも繰上返済ができるように資金を準備しておくことが大切です。
デンタル・マネジメント・コンサルティング
門田 亮 氏