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みなさま、こんにちは。株式会社シェルクレール 代表歯科衛生士の佐藤朱美です。 前回のコラムでは、「医療ホワイトニングとセルフホワイトニングの違い」についてお話しさせていただきました。

今回は、私が歯科衛生士として多くの現場に携わる中で見えてきた、「医療ホワイトニングを医院にしっかりと定着させ、成功へと導くためのポイント」についてお伝えしたいと思います。

これまで多くの歯科医院様を訪問し、ホワイトニングの導入支援を行ってきましたが、現場ではよくこんな声を耳にします。「薬剤を購入したけれど、どう活用していいかわからない」「やってみたけど結果が出なかった」「1回はしたけれど、患者さんが継続してくれない」

こうした悩みは決して珍しいことではありません。実は私自身も、かつて同じような経験をした一人です。 ある患者さんにホワイトニングを施術した際、「あと何回来れば白くなりますか?」「費用はどれくらいかかりますか?」と質問されました。その時、私は明確な答えを持っておらず、「気になったらまたいらしてくださいね…」と曖昧な返答しかできませんでした。結果、その方は一度きりで来院されなくなってしまったのです。

今振り返ると、最大の原因は「ゴールの共有ができていなかった」ことにあると思います。どれくらい白くしたいのか?そもそもなぜ黄ばみが起きているのか?どんな方法がその方に適しているのか?― そういった本質的な話をきちんと説明し、共有できていなかったのです。

では、医療ホワイトニングを医院の中でしっかりと根づかせ、患者さんに信頼されるものにしていくには、どうすればよいのでしょうか? 私は、以下の「5つのポイント」がカギになると考えています。

  1. 知識を深めること:歯の黄ばみの原因、ホワイトニングのメカニズム、さまざまな症例や対処法を学ぶ。
  2. 手技の向上:薬剤を安全かつ効果的に使うための技術を身につける。
  3. カウンセリング力の強化:患者さんの希望を丁寧に聞き、明確な目標設定と提案ができるようになる。
  4. 多様なメニュー構成:ライフスタイルや目的に合わせて選べるプランを用意する。
  5. 医院全体で取り組むこと:歯科衛生士だけでなく、院長先生やスタッフ全員がホワイトニングに対する共通認識を持ち、連携して取り組む。

この5つを意識して取り組むことで、ホワイトニングは単なる“施術”ではなく、医院の強みとなり、患者さんとの信頼関係を築く大きな武器になります。そして何より、それに携わる歯科衛生士や歯科助手の皆さんにとっても、自信ややりがいにつながるはずです。

ホワイトニングは、歯を白くするだけでなく、その人の笑顔や人生にも輝きを与えるもの。だからこそ、私たちの関わり方一つで、その価値は何倍にも広がるのです。 次回は、近年耳にする機会が増えてきた「デンタルエステ」についてお話ししたいと思います。

「歯科衛生士が輝ける新たなフィールド」としての可能性について、ぜひ一緒に考えていけたら嬉しいです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回もどうぞお楽しみに!


株式会社シェルクレール 代表取締役
佐藤 朱美 氏